バイリンガルは「二言語の使用が可能な人」と定義されています。しかし、一概にバイリンガルといっても、細かな分類が存在します。バイリンガルへの理解を深めるため、能力や得意分野など、現在、存在する分類方法をいくつかご紹介します。
【1】そもそもバイリンガルって?
バイリンガルとは、2つの言語を使うことができる人のことです。それぞれの言語の能力や得意な分野で数種類に分けられています。ちなみに、誤解されがちですが、片方の言語が「読む」ことしかできない人はモノリンガルと呼ばれ、バイリンガルの定義には含まれていません。
【2】バイリンガルにも種類がある
バイリンガルは研究者などによっても、分け方はいくつか存在します。まず初めにそれぞれの言語の能力での分け方を見ていきましょう。
1:均衡バイリンガル(バランス・バイリンガル)
均衡バイリンガルとは、2つの言語の能力に差がなく、両方ともネイティブのレベルで使うことができる人のことです。バイリンガルの理想と言えますが、均衡バイリンガルになる人は、残念ながら少ないと考えられています。
2:偏重バイリンガル(ドミナント・バイリンガル)
バイリンガルではあルものの、2つの言語で能力の差がある人のことを偏重バイリンガルといいます。能力は個人差がありますが、片方の言語はネイティブのレベルで使う人が該当します。バイリンガルと呼ばれる人の多くは、偏重バイリンガルに分類されると言われています。
3:受容バイリンガル(パッシブ・バイリンガル)
偏重バイリンガルと似ていますが、一方の言語はネイティブのレベルで使うことができ、もう一方の言語は、聞いて理解することしかできない人のことをいいます。ハーフの人が、偏重バイリンガルに到達せずに、受容バイリンガルになるパターンが多いとされています。
4:限定的バイリンガル(ダブルリミテッド・バイリンガル)
どちらの言語もネイティブのレベルで使うことができない、あるいは年齢相応のレベルで使うことができない人のことをいいます。
大人になってもネイティブのレベルで使うことのできる言語がないため、社会不適合者となってしまうケースが多いです。バイリンガル教育をしようとした結果、いずれの言語も獲得できないという事例も存在するようです。
【3】得意分野でバイリンガルを分類する方法も
続いて、それぞれの得意分野でバイリンガルを分類する方法を紹介していきます。
1:聴解型バイリンガル
2つの言語を聞き取って理解することはできるものの、書くことや読むこと、話すことが片方の言語しかできない人のことを、聴解型バイリンガルといいます。
2:会話型バイリンガル
2つの言語を聞き取って、話すことができるものの、書くことや読むことが片方の言語しかできない人のことを、会話型バイリンガルといいます。
3:バイリテラル
2つの言語とも「聞く」「話す」「書く」「読む」の全ての能力ができる人のことを、バイリテラルといいます。
【4】バイリンガルのメゾットは未確立?
子どもをバイリンガルに育てたいと思っている人は多いですよね。『Mixrtoos』でも数々の相談が寄せられます。しかし、確実にバイリンガルに育てるメゾットは、実はいまだに確立されていません。
バイリンガルになってほしくて同時に2言語を教育した結果、限定的バイリンガルになってしまっても困ってしまいますので、まずは母語を確実に教育してから、次の言語に挑戦させてみてはいかがでしょうか。
(山吹麗華/ライター)
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