歌手の宇多田ヒカルさんは自身のツイッターで近況を報告し、愛息の「ハーフあるある」についても説明しました。あるあるを受けて、『Mixroots』でも、海外で母親の元育ったハーフたちに取材しました。
【1】一人称が「わたし」になってしまう男の子
宇多田さんは、20日に「今ロンドンでは屋外でさえ他の家庭との交流が禁止されてて、学校が冬休みに入って友達に会えないのがほんと可哀想だけど、家でひたすら一緒にごっこ遊びしたり人生ゲームやったり、数少ない天気の良い日は公園で追いかけっこしたり、最近与えたポラロイドカメラで写真撮ったりして過ごしております」と、近況を報告。
「5歳の息子が日本語を話す時の一人称が『わたし』でたまらんばい」と、愛息の一人称が『わたし』であることに愛らしさを感じていることを明かしました。ファンからは、「男の子の『わたし』良いですよね」「英語と違って、ぼくとかわたしとか一人称に色々違いがあるのが、日本語の良いところだよね」と一人称が持つ印象の違いや「ママの口ぶりを真似してるのかな?」「日本語がどうしても、お姉さま言葉になりますよね」と共感の声が寄せられました。
これらの反応を見て、21日には宇多田さんが補足をツイートしています。「息子の「わたし」一人称は丁寧な言葉ではなく私の影響みたいで…日本語のインプットがほぼ母親からしかないから女言葉になってそのまま大きくなる、という海外育ちのハーフ(母親が日本人)の男子あるあるらしいです」と、ハーフあるある現象であることを明かしました。
宇多田さんは2007年に紀里谷和明さんと離婚。2014年から4年の間、イタリア人の男性と結婚生活を送っていました。
★引用元となる宇多田ヒカルさんのTwitter
【2】海外育ちのハーフに取材!
『Mixroots』では、海外で育ったハーフたちに取材。「海外で母親から言語を習ってきた海外育ちのハーフ」に、言語面でのあるあるを伺いました。
「一人称もだけれど、母の言葉をそのまま聞いて育ったので、女言葉が結構混ざっていました。学校に行った時はちょっとからかわれましたね……」(19歳・カナダハーフ)
「母が日本人の日本人育ちなのですが、アメリカ人の父親と結婚してアメリカへ行くことに。僕はアメリカで生まれてずっとアメリカで育ちました。母はアメリカで生活できるよう一生懸命、英語を教えてくれましたが、もともと得意でない母が英語を教えるのはなかなか大変だったそう。今はちゃんと話せるようになりましたが、なかなか英語を習得できなかったと聞いています」(22歳・アメリカハーフ)
「わたしという言い方が変だっていうのに、なかなか気がつきませんでした。公的な場所ではわたしっていうんだから、なんで?って長いこと疑問でしたね(笑)」(20歳・フィリピンハーフ)
日本では多く役割語が存在します。男の子が母親から言葉を教わり、特に海外で同年代との交流がないと母親が普段発話で選び取っている役割語の影響を受けることが多いと考えられます。逆に女の子が父親を中心に言葉を教われば、同様のことが起こるでしょう。
【3】まとめ
生育環境によって、「普通」と言われる育ち方と異なる成長を遂げるハーフは少なくありません。多様性が認められるようになり、「僕」キャラ女子や「わたし」という男子などに違和感を訴える人は減りましたが、生育環境を理解せず「普通」を押し付けてしまうと、ハーフに限らず多くの人が生きづらさを感じてしまうかもしれません。
(神崎なつめ/ライター)
※画像はイメージです
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