国籍選択イコール国籍剥奪じゃない?いつまでにすれば良い?

ハーフのパスポート事情

『mixroots』では、多く成人してから行わなければならないと言う「国籍選択」に関して質問が寄せられています。

また、「両親の国の血を持つ証なのに……アイデンティティが失われる」と言う声も。そこで、今一度、ハーフが日本で行わなければならない国籍選択について確認していきましょう。

【1】ハーフが持っている国籍選択の印象は? 

ハーフも、自身に関わることに関わらず、「国籍選択」に混乱している印象。

そこで、国籍選択に関する印象を聞いてみました。

「国籍選択って何歳までにするんでしたっけ? 大人になったらって言うのはわかるんですけれど……」(23歳女性・イランハーフ)

「うっかり年齢を超えてしまったら、国籍選択ってできないんですか? なんの通達も来なかったから、今まで必要だって言うことも知りませんでした」(26歳男性・アメリカハーフ)

「なんで国籍を選ぶ必要があるんですか?自分の親の血なのに。日本、鎖国すぎると思います。ハーフは親のつながりを断たれて、アイデンティティクライシスも深刻なのに……」(19歳女性・カナダハーフ)

「国籍選択をしたのに、未だにドイツ国籍がある? パスポートを更新できるみたいなんですけれど、どう言うこと?」(23歳男性・ドイツハーフ)

しなくてはならないことにも関わらず、ハーフ自身も年齢がわかっていない上に、通達がない現状。

「絶対にしなくてはならないこと」と言う割には、色々と問題がありますよね。

【2】国籍選択を行う場所・いつまでにするか

ハーフは、20〜22歳の間に国籍選択を行う必要があります。海外の大使館に提出する等を行う人は多少煩雑になりますが、ただ国籍を選ぶだけなら、市役所へ行くだけで大丈夫です。

窓口は、戸籍に関わると言うことで、「戸籍謄本」をもらう窓口です。筆者が行った時には、市役所に書類が置いていなかったので、窓口に直接行って、紙をもらいました。

書類に記載する内容は、個人情報と現時点で持っている国籍、どの国籍を選ぶかと言ったもので、紙は1枚しかありませんでした。「思ったよりあっけないな……」というのが感想です。

しかし、きちんと署名を行うものなので、印鑑は必要です。また、事実確認等があると言うことで、書類を書いてから結構な時間、待たされました。

筆者の時は、20分くらいだった気がします。

【3】国籍選択イコール剥奪ではない?  

日本国籍を選択すると、その場で海外国籍を失うものだと思っているハーフは多いですよね。

しかし、国籍を捨てると言うことは、決して容易ではありません。そのため、日本で「日本国籍を選びます」と言ったところで、海外が簡単に国籍剥奪をしてくれると言うわけではありません。

つまり、市役所で日本国籍を選んだところで、その場で海外国籍を失うものではないのです。「努力義務」とされていて、ハーフは、「海外の国籍から抜ける努力をしてください」と言うのが実際のニュアンスです。

窓口でも、「この書類が海外の大使館へ連絡が行くものではありません。国籍から抜ける準備が必要な場合には、別途、各自でおこなってください」と言うような説明を受けました。

実際、『minroots』では、海外旅行の際にパスポートを2つ持っていて突っ込まれた人がいると言う話を聞いていますが、その際には、「結構大変で、まだ抜けられていないんですよ」と切り抜けることができたそうです。

【4】期日までに書類を出さなかったらどうなる? 

22歳までに国籍選択をしなければならないと言う割には、国籍選択の通知が行くようなことはありませんよね。うっかり忘れていたり、知らずに23歳を迎えてしまう人がいるでしょう。

その場合の正しい対応は不明ですが、『mixroots』には、うっかり23歳を迎えて1ヶ月経ってしまった頃に、慌ててしれっと選択してきた人がいます。

その際には、何も突っ込まれなかったと言うことです……。22歳までに出しておくべきですが、もし年齢を超えてしまった場合には、市役所に相談してみても良いかもしれませんね。

また、もしも国籍選択をせずに生活を送り続けてしまった場合ですが、法務局によれば、大臣からの催告を受けても1ヶ月放置して国籍選択をしなかった場合に、日本国籍を失ってしまう可能性があるそうです。

旅行や郵便物に気づかなかった等で気づかないと恐ろしいことになりそうですので、さほど難しいことではないですし、国籍選択をしておいた方が良さそうです。

【5】まとめ

ハーフにとって一大イベントの国籍選択。意外と知られていないことばかりですよね。

22歳までに出すこと、国籍選択をしたその場で海外国籍が失われるわけではないことは押さえておくと良さそうです。

気になる方は、法務局の公式サイトをきっちり確認しておきましょう。

(神崎なつめ/ライター)

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