グローバル社会と言われているものの、真に国際理解に至っていない日本の現状。ハーフは海外旅行をするだけでも大変ですよね。そこで、ハーフたちに海外に行く際のパスポート事情を聞いてみました。
【１】基本的には日本のパスポート
「ハーフって、だいたいパスポートを２つ持っていますよね。でも、日本ってパスポートが強いじゃないですか。入国できる国が１番だっけ？だから、なんだかんだで日本のパスポートを使っています」（アメリカハーフ・26歳男性）
「外国のパスポートを使って日本に帰ってくるときに、外国人扱いになるだろうと思うと、怖くないですか？観光ビザが必要になったりするんじゃないかと思ってしまうし、多分、日本では２つのパスポートを持っているなんて想定されていないことだから、その穴で何か起きたらと思うと、日本パスポートしか使えません」（ロシアハーフ・23歳女性）
「うちは国が国なので、父方の国のパスポートが弱いんですよね。本当かわからないけれど、当時の情勢もあったのか、父が搭乗拒否された経験があるという話を聞いていますし、日本のパスポートを使っています」（イランハーフ・22歳女性）
「治安がいい海外ばかりではないし、パスポートをなくして強制送還される時が怖くないですか。海外のパスポートで言っちゃうと、おそらくその国に返されますよね。日本に住んでいるし、向こうに行っても助けを求めようがないから、ちょっと怖すぎてできないです……」（中国ハーフ・23歳男性）
【２】自分の国に行く時は海外パスポート
「自分の国に行くときは、なんだかんだその国のパスポートの方が便利だと聞きます。僕は、日本に入国するときに、日本のパスポートと合わせて見せるようにはしています。僕は年齢的なこともあってか経験がないんですけれど、ハーフによっては、『二重国籍じゃ』とちょっと面倒なことになるみたいですね。もちろん、彼らに国籍をどうこうする権限はないので、流せばいいんですけれど……。一番いいのは、『ああ、まだ抜けられてないんですよ』って返しらしいです。二重国籍はダメだっていうけれど、国籍を抜けるのってそう簡単じゃないらしいですね」（カナダハーフ・21歳男性）
「日本から自分の国への出入国はできるけれど、観光目的で例えば中国などにアメリカパスポートを使うと、日本へ帰ってきたときに、アメリカ人扱いになるはずです。それは確実に面倒なことになりますよね。自国に行くときしか、海外パスポートは使いません」（アメリカハーフ・22歳男性）
海外パスポートで日本から出ようとすると、多くのハーフは『やめた方が良い』と止めます。出てしまった後に、面倒になるリスクが高いようですね。そんな心配をしなくて済む社会になれば良いものですが……。
（神崎なつめ/ライター）
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