【体験談】教師によるいじめがクラスのいじめも加速させていく

教師によるいじめ

グローバル社会と言われているものの、真に国際理解に至っていない日本の現状。ハーフやクォーターの「困った」を募集する本企画です。

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今回話を伺ったのは、日本とカナダのハーフであるNさん(16歳・女性)。彼女の母語は日本語と英語です。日本語は堪能で、英語はクラスメートよりできないと話していました。
彼女の家庭は、母子家庭で、上に2人の姉がいます。姉たちはそれぞれ独立して、彼氏と2人で生活をしているとのことです。
家族2人での生活ですが、彼女は、学校でいつもいじめられてきたと語り始めました……



「いじめが始まったのは小学校4年生の時からです。クラスメート全体からいじめを受けていました。その上、先生からもいじめられていたので、学校での居場所はありませんでしたね」

先生からのいじめ? 
どういうことでしょうか……

自分だけに対して、明らかに対応が違いました。周りはやる必要がないのに、チャイムがなってみんなが遊びに出て行く中、自分1人だけ残されていましたね。「解き終わるまではいろ」と言われたのですが、他にも解き終わらない子がいる中で、自分だけが残されることに理不尽を覚えました。他にも色々とありましたね……。衝撃的で、あまり覚えていないんですけれども。

先生が自分だけ特別視していると、クラスでのいじめも加速しそうですね……

「解き終わらないくらいなので、頭が良くないんですけれど。クラスからは、頭がめちゃめちゃ悪いということで、すごく馬鹿にされました。だから、絶対に仲間に入れてもらえなかったですね。自分が通っていたのが私立だから、仕方ないのかもしれませんね」

こうしたことを受け、Nさんは転校を余儀なくされたと言います。

「実際、転校したのはいじめが理由というか……まあ、いじめも要因なんですけれど。例の教師が『学校から出て行け』みたいなことを言ったのが、きっかけでした。親も、『そんな教師がいるところなら、辞めてしまっていい』と重たい腰を上げたみたいですね。

先生が転校を進めて、転校をしたということですね。
それはいつくらいの出来事ですか?

「はい、小学校5年生の始まりくらいからだと思います。それから転校の準備をして、公立の学校に通い始めたのですが……。その学校でもいじめを受けてしまいました。最初のいじめはハーフだったからかどうかわからないんですけれど、このときは確実にハーフが原因ではありませんでした。

というと?

「変に正義感があったんですよね。登校初日にいじめられている子を見て、自分の経験もあって、助けてしまったんです。そしたら、3日後くらいに、いじめグループから『仲間に入らないか』っていう勧誘を受けて……。それを断ったら、自分もいじめられてしまいました
男子からは、ミドルネームと名字がカタカナだったので、めちゃくちゃなことを言われたり、馬鹿にされたりしましたね。ハーフであることを、クラス全体でからかわれました」

そして、中学校で新生活を迎えても、いじめられ続けたと言います。

「中1の時は、知り合いもいないし、いじめられた理由が本用によくわからなくて。名前も顔も知らない男子から、突然、団体でいじめられました。帰り道とかに、お姉ちゃんの個人情報を叫んだり、私の名前を叫んだり。名字と不快な言葉を混ぜて、それを叫ばれたりしました。
で、中2の頃になると、みんながスカート丈を折り始めるようになるんですけれど、いじめる側はよくて、私はダメ……みたいなことがあって。その頃から、中1のいじめっ子とは別に、極端に人に嫌われ始めて、変な噂を流されたりもしました」



それが中3まで続いたと言います。こうした経験もあって、彼女は「ハーフ」という言葉に、差別的な意味を感じるようになっていきました。
「完全に日本人になりきれず、外国人にもなりきれないから、どちらの枠にも入れてくれない……」と彼女は語っています。

ハーフであることを理由にいじめられた人の多くは、ハーフに肯定的な感情を持つことができません。こういった側面に対しても、教育者側の十分な理解が得られるようになれば良いですね。

(神崎なつめ/ライター)

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