グローバル社会と言われているものの、真に国際理解に至っていない日本の現状。ハーフやクォーターの「良かった」「困った」を募集する本企画です。
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今回話を伺ったのは、インドネシアハーフのEさん（24歳・女性）。20代のハーフにとっての関心ごとは、年相応の日本人の女性とあまり変わりません。そのため、女性同士で集まると恋バナに発展することがあり、ハーフも恋バナに混ざることはよくあります。
ですが、ハーフ特有の質問として、「日本人と外国人どっちと付き合いたいか」というものがあり、結構のハーフが聞かれた経験を持っています。そこで、今一度、Eさんにこの問いについて考えていただきました。
「大学生活では男友達やクラスメートはいても、一対一で付き合うような恋人はいませんでした。社会人になると一気に女性同士の恋話は、結婚観や将来子供をどうするかというような具体的な話が話題になったりします。
私の場合、恋バナのきっかけは、ベッキーの不倫がニュースで取り上げられていたことです。その時話題に上がったのは、ヨーロッパでは不倫や離婚はスクープにならず、さらりと流されて仕事に影響することも珍しいため、なぜそこまで大々的にニュースになったのかということ。そして、ベッキーはその後、レギュラー番組の降板やテレビ出演が減ってしまい、もし不倫相手が外国人であれば、恐らく取り上げられなかったもしれないということでした。またその後、野球選手と結婚と妊娠が発表され、不倫疑惑はなんだったのと疑問があります」
日本において、不倫は法的によくないことでデリケートな話題です。ですが、その一方で浮気や不倫などのゴシップを好んで見る人が多いため、視聴率を取りやすく、メディアは報じやすいと聞きますね。
「それ以外でも、同じくイギリス人とのハーフJOYさん、森泉さん、アレクも日本人との結婚を発表、どんどんハーフの間でも結婚が話題になるようになりました。
日本人の芸能人なら誰が結婚相手かなどが話題になりますが、ハーフやミックスのタレントは、日本人かそうでないかで話題になったり、その後の仕事に影響があったりするのかなと感じます」
そうなんですね。ハーフは確かに、ハーフか外国人か、どっちと付き合うのかという点がよく話題に上がる気がします。
「ですよね。私も会社で『彼氏はハーフ？』『日本人と外国人どっちがいいの？』と聞かれることがあります。私の場合、好きであればどちらでもいいし、まだ特定の男性に知り合っていないので、比べたこともありません。
なんでも気さくに話せるハーフ仲間でも、日本人と付き合ってみたり、外国人と付き合ってみたり、結婚前に色んな人とを知り合うことに抵抗がない人と、慎重に恋愛したい人に分かれます」
何人だから付き合うって、ないですよね（笑）
「でも、どっちで付き合うかってなった時に、違いはあると思うんです。ヨーロッパでは結婚前提で付き合うとか、お見合いがありません。ましてや最近の若者は結婚をしない傾向が強く、事実婚でいつでも分かれられる状態で一緒に生活する人が多いです。日本のように、付き合ってくださいと言われて交際がスタートすることもなく、なんとなく流れで自然に付き合うようになることを好みます。
日本のように交際自体が重い関係でないので、日本人男性と付き合う時は少し慎重になってしまうハーフ女性は多いと思います」
確かに……。言われてみればそうですね。国によって恋愛観も結婚観も異なりますからね。
「そういう違いはあるかもしれないけれど、最低条件として望むものを挙げるにしても、言葉が完全に通じ、お互いの文化を理解し合える人が好ましいし、愛情表現が似ている人がより親近感を持ちやすいというくらいです。ヨーロッパではキスやハグは挨拶で、毎日でも習慣的に抵抗なく、付き合える人は対応できますがそうでないと交際が続かないと聞いたことがあります。
ハーフと付き合うとハーフ関係をキープでき、日本人と付き合うと日本人として認められ、外国人と付き合ってしまうと外国人として扱われていしまうのか交際関係で人生が変わる気がします」
日本人だから付き合う、外国人だから付き合うではなく、ハーフも好きになった人と恋愛をするだけなんですよね。
その過程で、相手がどういう文化の中で育ったか、どういうスキルを有しているかが気になったりはしますが、それは日本人も同じではないでしょうか。
（神崎なつめ/ライター）
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