【体験談】クォーターの私が外国語全般得意な理由、ミックスの強み

クォーターの強みとは? 外国語に強い理由

グローバル社会と言われているものの、真に国際理解に至っていない日本の現状。ハーフやクォーターの「良かった」「困った」を募集する本企画です。

☆★☆

今回話を伺ったのは、台湾クォーターで日本の血の方が濃いKさん(26歳・女性)です。クォーターというと、4分の1の血の国について、文化や言語をあまり教えられてこないことが多いのが実情だと思います。
しかし、Kさんは外国語が堪能で、台湾で必要となる中国語も得意なのだそう。その理由について、考察していただきました。

「私は台湾のクォーターです。日本の方が濃いので、日本人として育ってきました。名前も日本名ですし、国籍も日本です。よく、ハーフやクォーターだからと言って、外国語がよくできるわけではないということを聞きますが、私の場合は自分としても、客観的にも割と外国語が堪能な方です。そこで、ではなぜ、外国語が得意なのか考えてみました」

Kさんは家庭でしっかりと外国語を習っていたわけではないようですが……

「私は、大学で中国語を専攻したこともあり、中国語の会話能力は、日常会話程度できていました。しかし、大人になってから、『文法がめちゃくちゃだし、できれば台湾の繁体中文だけじゃなく、大陸の簡体中文も読めるようになりたい』と思って、台湾人の先生にマンツーマンでレッスンをつけてもらっています。
その時は、クォーターとして中国語を耳にする機会があったからでしょうか。あるいは、語感が備わっていたのでしょうか。『やっぱり発音がいいね』『文法は未完成でも、応用力がある』と言ってもらえました」

学校で中国語を覚えたものの、もともと素質があったということですね。「応用力」ということですが、具体的にはどのようなことで応用が利いたのでしょうか? 

「そうですね。例えば、新しく習った文法や単語があったとすると、それでさらに他の文章などが作れないか、瞬時に思いつくのです。これはやはり、幼い頃に中国語に接していたからではないかと思います。
そして、他の外国語でも同様です。英語はもともと好きで、小学校の頃から習っていました。ですので、中学に入った時は苦労せずに英語の学習ができましたし、高校の頃には得意科目になっていました。特に英語圏に留学したわけではなかったのですが、『この言い方は、こういう意味なのかな』と予測して答えることができます」

そうなのですね。英語はあまり聞きなれた言語ではなかったと思うのですが……。興味深いですね。

「おそらく、全ての単語がわからなくても、ある程度察して受け答えできるのは、英語を習っていたからというよりは、小さい頃に外国語と触れ合ってきたからではないかと思います。特に英語と中国語の文法は似ているので、日本人の方がいちいち置き換えて考えるように変換しません。
中国語の時は中国語でものを考えて言葉にしますし、英語の時もそうします。他にもロシア語などを大学院までやっていて、留学もしたのですが、独特の文法や言い回しなどもすぐに覚えてしまいました。ハーフやクォーターで、バイリンガル教育を受けた人や、自然と身についた人は、頭の中で日本語に変換することがないので、受け答えがすぐにできたり、わからないところを飛ばしても意思疎通ができるのではないかと思います」

なるほど、日本以外の第二言語、第三言語……。外国語そのものの習得スキルが備わっていたということですね。

「私は今でも中国語を習っていて、決して完璧な発音や文法とは言い切れませんが、小さい頃に耳から入った音を忘れていないので、発音はそっくりそのまま真似することができます。言語習得において、これらはハーフやクォーターの強みなのではないでしょうか」

確かに、ミックスルーツの人は、外国語が苦手でも発音は上手かったり、リスニングは得意など限定してスキルを発揮している人が多い印象です。
小さいころから外国語に触れることで得られる強みもあるということかもしれませんね。

(神崎なつめ/ライター)

※『mixroots』では困った・よかった体験談を募集しています。情報提供してくださる方は、『Twitter』アカウント、@mixed_community のDMまでお問い合わせください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です