【体験談】敬語が苦手なハーフは多い…正しさってそんなに大事?

ハーフは敬語が苦手。敬語の必要性は?


グローバル社会と言われているものの、真に国際理解に至っていない日本の現状。ハーフやクォーターの「良かった」「困った」を募集する本企画です。

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今回話を伺ったのは、日本とフィリピンのハーフ(22歳・女性)。日本で育ってきたため、日本語の方が堪能です。ですが、母親がフィリピン人であるため、完全に日本文化的な環境下で育ったわけではありません。
そのため、日本人と生活をしていると、しばしば文化的な違いを感じることもあるのだそう。今年には、無事に就職の内定が決まったそうですが、早速職場で困ったことに遭遇した様子です。詳しく話を伺いました。

「自分は、敬語をうまく話しているつもりでした。でも、バイト先で敬語のことで怒られてしまって……。春からの就職がちょっと不安になっています。私は最低限、しっかりと敬語を話しているつもりだったのですが、どうやら足りなかったみたいなんです。
最近、ハーフタレントを見ていると、例えばローラさんのように、敬語ができないキャラというのがたくさんいます。周りを見てても思うのですが、ハーフって敬語が得意な人は少ないですよね。どこかしらでつまずいている気がします」

確かに苦手な人は多いですね。日本の敬語文化が好きで勉強したとか、小さいころから本の虫だったとか、特別言語に思い入れがない人は、きちんと習得できていない人が少ないように感じます。

「正直、怒られたこと自体モヤモヤしていて……。外国人なら『まあわからなくて仕方ないよね』って怒られることはないですよね。もっと言えば、日本語がペラペラな外国人がいたら、何度も見てしまう人がとても多いですよね。だから、ハーフも海外と日本がミックスした文化に育っていて多国籍だから、できなくても認められると甘く考えているところがありました。実際、外国人が多くいる町だから、外国人のバイトさんも多いのだけれど、私の職場でも彼らは怒られていないんです。
怒った上司も、私がハーフだから譲歩しようと思って、一度は理解を試みもしたようなのですが……。やっぱり理解には至らなかったみたいです。でも、ハーフ全体で割りと言えることだと思います」

「〇〇語話せる?」というのもありがちですが、ハーフは中途半端に位置していうからこそ、都合の悪い方に解釈されてしまいがちですよね……。

「で、多分ですけれど、片親が片言の日本語を育っているのを聞いて育つじゃないですか。少なからず、脳に影響を受けていると思うんですよ。なんか、ハーフって“正しい言葉を使う!”より、“ノンネイティブともコミュニケーションを取る”っていうのに重点を置きがちな気がします。だから、正しいよりも伝わる言葉を無意識に選択してしまうんですよね。それでノンバーバルコミュニケーションに強くなるというか……。
私は本来言葉のあり方って、そういうものだと思うんです。言葉って、結局はコミュニケーションを取るツールでしかないですか。日本の文化的に敬語を重んじるから従っているけれど、そこまで正確さにこだわることは理解できないですね」

日本って縦社会ですからね……。

「ええ、本当。怒られる時にも縦社会をすごく強調されました。それ自体、決して悪いことではないけれど、私って日本の企業で働くのに向いてないし、もっと言えば日本に向いてないなと感じた瞬間でしたね。ハーフはフリーランスがめちゃくちゃ多いし、そう思っている子も多そうです。
すごく個人的な意見ですけれど、物事を伝えるのにプラスアルファで敬語のことまで考えるって、頭のリソースが無駄じゃないですか?お客さん相手とかならともかく、仕事の場で内輪のやりとりにまで徹底するって、なんか勿体無いなあと……。こういう意見のハーフも、多いんですよね。難しいです」

日本では横のつながりの希薄さが課題視され、それゆえビジネス面で成長が見込めないという指摘は多いですよね。言語は心的な距離と密接に関わると言われていますから、本当は敬語をあまり意識しない方が従業員同士の繋がりは強化されるのかもしれません。
また、敬語を意識するとなると脳のリソースを割くだけでなく、発言する語数も増えます。効率化を図らなければならない中で非効率なのは言うまでもないでしょう。どこまで文化を尊重し、どこまで海外文化やビジネス的なメリットを追求するか再考しても良いかもしれませんね。

(神崎なつめ/ライター)

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