【体験談】結婚式をどこでしたらよいのかわからず…結局未だにせず

結婚式をどこでしたらよいのかわからず…結局未だにせず

グローバル社会と言われているものの、真に国際理解に至っていない日本の現状。ハーフやクォーターの「良かった」「困った」を募集する本企画です。

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今回話を伺ったのは、日本と台湾とのハーフを妻とする日本人Kさん(35・男性)です。住んでいた国がお互いに違うので、結婚式をどこであげるか、どうするかかなり悩んだそう。
結局、未だに結婚式を挙げることなく時が経ち、子供もできてしまったと言いますが……。

「私は、婚姻届を日本、台湾の各行政に提出して、公的記録上は結婚している状態です。結婚式も披露宴も挙げていません。一般的には結婚式や披露宴を行い、親戚、友人、知人、会社関係などに結婚したことを認識してもらうものですよね」

確かに、結婚式を挙げるカップルは多いですよね。予算やその時の多忙さなどに寄って、式を挙げない人もいますけれども……。

「うちの場合には、お金がないとか仕事で忙しいとか、そういうシンプルな問題があったわけではありませんでした。結婚式っていろいろな形があるかと思います。宗教的な形式や規模、その後の披露宴などのスタイルも様々です。私と奥さんの場合は、さらにそれ以前の理由で止まってしまいました。
それは結婚式をどの場所(ロケーション)で行うかということです。当時、私と奥さんは関西の某市で同棲生活を送っていました。私は東海地方生まれで関東地方で育って、現在も実家は関東。奥さんは台湾の台北県(現在)で生まれ育っています。私の友人親戚や奥さんの周りの人も、基本的にはどちらかの地元か中間地点で結婚式を挙げた人が多いです。私と奥さんの場合はどこでやるのがよいのでしょう」

確かに国を挟むと、どこで行うべきか。他国で式を挙げることで親族や友人たちが来れるのか悩みの種になりますね。

当時挙がった結婚式をする場所の候補は以下でした。①関東の実家近辺または東京。これは、私の友人関係は大丈夫でした。しかし、奥さんの親族、友人からは大変遠いですし、私の会社関係も遠い位置でした。②台北近辺。これは、台北で結婚式をするなら旅行ついでに是非行きたいという人もいましたが、私の友人関係からは遠い場所です。もちろん会社関係も遠いです。一方で、奥さんの親族、友人でした。③私の友人関係や奥さんの親族、友人からは遠く、会社関係の人からは近場でした。
どこで結婚式をやっても、どこかに不義理が発生します。3か所または2か所でやることも検討しましたが、金銭面で不可能でした。また、遠くから人を呼んだ場合、足代などの問題も発生します。私と奥さんは結構悩んだ末、いっそのことやらなければよいという結論に達しました」

確かに、職場が近いと自分と妻の都合だけでなく、会社の都合も考えなければならないですよね。そうなると、かなり場所選びには困ってしまいます……。

「そうなんですよね。私の場合は、ごあいさつのハガキでも送ればいいだろうということにしました。奥さんはウェディングドレスを着てみたいという願望はもちろんあったようですが、いつか台湾の、結婚式をしなくても結婚式の衣装をレンタルして写真を撮ってくれる結婚写真サービスでも利用する、というのを落としどころにしました。
その後については、妊娠出産子育てとバタバタしているため、そういった時間は取れていません。当時、一点だけ心残りなのは、奥さんが一人娘であるという点でした。ご両親は娘の晴れ姿を見たかったんじゃないかな(特に義父)、と今でも少し心に引っかかっています」

結婚式は自分たちにとって大きなイベントですが、開催にあたっては周囲のことも考える必要がありますよね。国際結婚になればなおのこと、全員が都合の良い条件というのはそうないものです。
多くの人が、結婚式を挙げるにあたって、様々な悩みを抱えていくことになるでしょう。

(神崎なつめ/ライター)

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